町中が仮装でお祭り騒ぎ!ドイツ名物カーニバルの歴史と楽しみ方

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ドイツには、日本では中々味わえないようなお祭りが多く催されます。特に冬の時期は、ニコラウスの日、クリスマス、ジルベスター(12月31日)、バレンタインデーと、面白いイベントが目白押しです。

日本でも12月24日はクリスマスイブということで、多くの家族やカップルが楽しみにしている季節です。駅前にはクリスマスツリーが飾られたり、レストランではクリスマス向けの料理が出たりと、普段では味わえないようなひと時を過ごせることと思います。しかし、ここクリスマスの本場ドイツではクリスマスにかける情熱が一味違います。

今回は、2月のドイツのお祭りの目玉ともいえる『カーニバル』についてまとめていきたいと思います。

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カーニバル(Karneval)とは

ドイツ語ではKarnevalまたはFastnachtと言います。2月の中旬ごろに毎年開催され(年によって異なる)、ドイツではケルンのカーニバルが最大規模に有名です。他にも、リオデジャネイロのカーニバルなどもこの派生版ですが、もともとはカトリックの地域で催されていたもので、起源については諸説あります。

例えば、以下はドイツで一番有名な『Kölnのカーニバル』のホームページから引用した、ケルンのカーニバルの起源です。

Der Kölner Karneval ist fast so alt wie die Geschichte der Stadt selbst. Griechen und Römer feierten Dionysos und Saturn zu Ehren fröhliche Frühlingsfeste mit Wein, Weib und Gesang. Die Germanen feierten die Wintersonnenwende als Huldigung der Götter und Vertreibung der bösen Winterdämonen. Später übernahmen die Christen die heidnischen Bräuche. Die vorösterliche Fastenzeit wurde mit der Fastnacht oder dem Karneval (carne vale = Fleisch lebe wohl!) eingeläutet.

『ケルンのカーニバルは、ケルンの町自体と同じ程度の歴史を持つ。ギリシャやローマは、ディオニソス(酒の神)やサトゥルヌス(農耕の神)に敬意を表して、ワインや、尼や、楽曲によって祝福を捧げていた。また、ゲルマン人は冬至の時期に、神への忠誠と、冬の悪魔の放逐を意味する祭りを行っていた。じきに、キリスト教徒たちがこうした異教徒の習慣を受け継いでいった。イースター前の祭りの時期に、カーニバル(Fastnacht,Karnevalと呼称が分かれる)によってその始まりの合図がなされるのである。』

まあ、リオのカーニバルほどではありませんが、基本的には町ゆく人が愉快に仮装してお菓子を貰ったりするイベントです。私のドイツ人の友達は『毎年のことで面倒だから今年はいかない』と言っていたので、強制でもなければ地元の人にとっては何も物珍しくないイベントのようです。

カーニバルの様子

カーニバルの様子

実際のカーニバルの光景

正直、実際のドイツのカーニバルは予備知識が無いとよくわかりません。まず、朝の11時くらいから大きな車がディズニーランドのパレードのように町中を巡回し始めて、その上から仮装したドイツ人たちがお菓子やらおもちゃやらを配ります。

配るというか、上からこっちに向かって投げてきます。戦後のGHQの進駐を見守るように、道のわきに並んだ人々が我先にと『お菓子くれ、お菓子くれ』のポーズをすると、パレードをしている人たちがお菓子を投げてきます。

お菓子程度ならいいのですが、バラの造花とかサングラスとか、目に入ったら危ないようなものもどんどん投げてきます。多分日本でやったら怪我人がでて翌年は中止になるんじゃないかってくらい雑に投げてきます。

とりあえず、1時間も道で立っていたら両手がお菓子でいっぱいになりますので、シルクハットをもって裏にお菓子を詰めたり、サンタさんみたいな袋にお菓子を詰めたり、といった光景を見かけました。

また、仮装に関してですが、観光客はあまり仮装していませんでしたが、ドイツ人はわけのわからない仮装をしています。ピカチュウとかマリオとか、中にはドラゴンボールとかもいましたので、伝統云々というよりとりあえず「なんでもいいから仮装しよう」的な考えなのでしょう。

基本的にみんな楽しんでますので、写真も一緒にノリノリで撮らせてくれたりもします。

カーニバルの様子

カーニバルの様子

カーニバルのスケジュール

カーニバルにはスケジュールのシキタリがあるようです。日本語のホームページとかにはあまりまとめられていなかったので、参考までにドイツのホームページから今年のスケジュールを引っぱってきました。

(繰り返しますが、このスケジュールはあくまで今年のものです。毎年変わりますので注意しましょう。)

Weiberfastnacht(2月12日)

カーニバルの幕開けです。直訳すると『尼のカーニバル』といい、現地では主に女性向けのカーニバルのようです。この日は、女性が男性のネクタイを半分にちょん切るとかいうよく分からない伝統が残っています。

Rosenmontag(2月16日)

直訳すると『薔薇の月曜日』ですが、もっと気の利いた訳があるのかもしれません。この日はカーニバルが最も盛り上がる日のようで(少なくともノードファーレン州では)、今年はテロ対策で一段と警備員が多かったとか。

この日はRosenmontagszugという乗り物が街を周回します(ケルンのものがドイツで一番大きいようです)。

Ab 10:11 Uhr schlängelt sich zum Höhepunkt des Straßenkarnevals ein kilometerlanger bunter Lindwurm durch die Kölner Innenstadt, der Rosenmontagszug. Bis zu einer Million Zuschauer säumen die Straßen, wenn sich über 10.000 eilnehmer und um die 100 Prunk- und Persiflagewagen in Bewegung setzen.

『10:11分より「Straßenkarnevals(道のカーニバル)」のクライマックスに向けて、全長一キロにも及ぶ色とりどりの竜が、ケルンの街中を体をくねらせて周回する。これがRosenmontagszugである。10000人もの参加者と、100にも及ぶ豪華なパロディーワゴンが走り出すとき、100万人もの観客が路を取り囲むのだ。』

Veilchendienstag(2月17日)

訳語はよくわかりません。そして私の地域ではこの日は特段何をするというわけではありませんが、場所によっては人形を燃やすようです。

このVeilchendienstagに限らず、結構ドイツの都市によってカーニバルの祝い方はまちまちですので、正直ここに掲載したとおりにカーニバルが進行するかは私にもよく分かりません(各サイトによって起源の主張も結構バラバラですし)。